■ Biogon 2,8/35 postwar


表記:Biogon 1:2,8 f=35mm T
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:22
マウント:外爪バヨネット
構成:4群6枚
製造・年代:Zeiss-Opton, 1952
フィルタ径:A42/S40,5x0,5
重量:000g
特記事項:なし
 戦後シュツットガルトで再設計されたコンタックスa型は、シャッターハウジングの関係で戦前のビオゴンを装着することができなかった。そこで新たに設計されたのがこの戦後型ビオゴン、またはSmall Tailのビオゴンである。実測で後玉枠の径27ミリ、マウント面からの後玉頂点までの長さ17,6ミリで、戦前ビオゴンが同30,5ミリの23,8ミリだから、懐の広さも深さも問題だったということだ。
 見た目の構成は戦前型と同じで、ただ後群が小型化されており、そこに戦前型のような押しの強さや蠱惑的な特徴は見られない。鏡胴のデザインも他の西独ツァイス製広角レンズと共通で、個人的にはしまりがないと思う。ただし、a型コンタックスとの正しい組み合わせではまあましだと云えるかもしれない。フロントは割合いに奥まっていて、特別フードは必要としないだろう。もちろん、あればそれなりに有用だ。
 開放付近で四隅がひどく崩れるものの、中心部の解像度はさすがに高い。絞ってやれば周辺もだいぶ改善されるし、戦前ビオゴン同様、トーンの出方には美しいものがある。プラナー3,5/35とよく比較されるが、全体的に見ればやはりビオゴンのほうが一枚上手だろう。ただ、市場価格はプラナーのほうが高い。これはプラナーの名前が有つ呪縛なのか、カール・ツァイスの名前が有つ魔力なのか(ビオゴンはほとんどツァイス・オプトン名義である)、ちょっと判らない。プラナーのほうが個体数が少ないからだとも云われる。

2005 Kamakura, Kanagawa F2,8 ILFORD DELTA 400 PROFESSIONAL


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