■ Sonnar 1,5/50


表記:Sonnar 1:1,5 f=5cm
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:11
マウント:内爪バヨネット(旧)
構成:3群7枚
製造・年代:Carl Zeiss Jena, 1935
フィルタ径:A42
重量:120g
特記事項:コーティング(後処理)
表記:Sonnar 1:1,5 f=5cm
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:11
マウント:内爪バヨネット(旧)
構成:3群7枚
製造・年代:Carl Zeiss Jena, 1935
フィルタ径:A42/S40,5x0,5
重量:180g
特記事項:ニッケルメッキ

表記:Sonnar 1:1,5 f=5cm
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:11
マウント:内爪バヨネット
構成:3群7枚
製造・年代:Carl Zeiss Jena, 1936
フィルタ径:A42/S40,5x0,5
重量:190g
特記事項:なし
表記:Sonnar 1:1,5 f=5cm T
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:22
マウント:内爪バヨネット
構成:3群7枚
製造・年代:Carl Zeiss Jena, 1943
フィルタ径:A42/S40,5x0,5
重量:205g
特記事項:Tコーティング


表記:Sonnar 1:1,5 f=50m T
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:16
マウント:内爪バヨネット
構成:3群7枚
製造・年代:Zeiss-Opton, 1950
フィルタ径:A42/S40,5x0,5
重量:000g
特記事項:Tコーティング
 コンタックスレンズシステムの看板レンズとして有名なのがこのゾナーF1,5だ。トリプレットを改良したエルノスターによって一躍名を馳せたルートヴィヒ・ベルテレ(忘れられているが、エルノスターにはクルークハルト博士も関与している)の設計になり、三千二百ページ以上、積み重ねると90サンチを超える光線追跡計算がそのまま宣伝に使われるなど、なにかと伝説的なレンズだが、特許書類は図版を含めて僅かに2ページしかない。
 1931年のF2ゾナーから一段明るくするのには結構苦労したと見えて、最初期のゾナーF1,5は小絞りが8までしかなかった。それが22に達するのは戦時中のことであり、市場にあるゾナーのうちコンタックスI用の黒鏡胴タイプではF11、クローム鏡胴ではF16止まりが大半を占める。もちろんすべて固定鏡胴型だ。戦中のTコーティングタイプも多く作られているが、あまり市場には出回らない。むしろ戦後東独製のTコートゾナーのほうが見かけやすい。例によって鏡胴の造りは何種類か見受けられ、黒鏡胴では絞りリングが中程にあるのと先端にある2種類に大きく分類される。英語ではslip ringと呼称される中程にあるタイプのほうが古い(写真左上)。また戦後の「イチゴ」ゾナーには東独製と西独製(オプトン版とCZ版)の計3種類がある。
 F2のゾナーと違って開放から良好な描写をするが、周辺は崩れやすく、点光源など派手に収差を現す。ただとにかく中心部の結像力は高い。どちらかというと癖玉であって、万能レンズというにはF2のそれに一歩以上を譲るのが定見だが、そこがまた使っていて愉しいところだ。コンタックスの標準レンズはなかなか単体では出回らないが、戦前のF1,5は5サンチレンズの中では比較的見かけることの多い玉である。のちにソ連でユピテル3として生産されるが、こちらのほうが市場に出ることが少ないようだ。作例に使ったのは最初期のレンズ。


2004 Toyosu, Tokyo F1,5 ILFORD DELTA 400 PROFESSIONAL


Photo and Text (C)2004 Yoshitane Takanashi inserted by FC2 system