■ Sonnar 4/135


表記:Sonnar 1:4 f=13,5cm
最短撮影距離:5'以下(1,3m)
最小絞り:32
マウント:外爪バヨネット
構成:3群4枚
製造・年代:Carl Zeiss Jena, 1936
フィルタ径:A42/S40,5x0,5
重量:540g
特記事項:なし
 1932年のコンタックス初登場時点でラインナップされていた6本のレンズのうち、一番焦点距離の長かったのがこの13,5サンチゾナーだ。13,5サンチという距離はなんだか中途半端な長さだが、従来の手札判(9×12)カメラに搭載されていたレンズの標準的な焦点距離だった。24×36ミリのライカ判では対角線画角18,25ミリ(13,5サンチゾナーの正確な焦点距離は133,5ミリである)となって、望遠効果が出る。このゾナーは比較的良く売れたコンタックスレンズで、戦前だけでも2万本が生産されたものと推定される。
 レンズ構成は典型的なテレゾナータイプで、ガラスの固まりのようなものだから大変に重い。それにSLR用の望遠レンズに比べて鏡胴が細長いので、ボディに取り付けた感じがどうにもアンバランスでまぬけな格好になる。これはまったく気分の問題であって写りにはてんで関係のない話だが、III型よりもII型に装着したほうがいくぶん様になるようだ。周辺まで立体感のあるきりっとした描写をするし、ボケも素直に崩れていくので非常に優秀なレンズだと云える。やや正の歪曲が見られるがさほど神経質になることもない。問題はファインダーで、543/7または544/7のマスクを使うと下側1/4が切れる傾向にあるので、本番(何が本番なのかよく判らんが、写真雑誌ではよくみかける表現だ)の前に試写して確認しておくのが良い。
 135ミリというのはわたくしは慣れていないためか扱いに難儀する焦点距離なのだが、人によってはこの辺りがちょうど一点を見つめたときの視野に一致するそうで(85ミリがよくそう云われるが、個人差がある)、存外に使いやすいとも聞く。RFカメラは広角に強いとよくまじないのように云われる文句であるが、レンズのコンパクトさからすればRFに望遠だって、なかなかに捨てたものではない。


2004 Urayasu, Chiba F8 ILFORD DELTA 400 PROFESSIONAL


Photo and Text (C)2004 Yoshitane Takanashi inserted by FC2 system