■ Topogon 4/25


表記:Topogon 4/25
最短撮影距離:0,9m
最小絞り:16
マウント:外爪バヨネット
構成:4群4枚
製造・年代:Carl Zeiss Jena, 1950
フィルタ径:A55
重量:115g
特記事項:距離計非連動、コーティング
 トポゴンという名前がある種の人々を惹きつけて止まないのは、そのビー玉のような魅惑的なエレメントによるところが大きい。この半球状の前玉を有つレンズはそう多くなく、同じツァイスのホロゴンとゲルツのヒュペルゴン、それにニコンとキヤノンの25ミリとKMZのオリオン15にルサールMR2と……いや結構あるか。ソビエトの2種を除けばいずれも入手困難で高価なレンズであるのは偶然ではあるまい。実際この薄いメニスカスレンズを製作するのは難しく、「薄く」はないホロゴンは別の点で非常に研磨の難儀なレンズだ。(ルサールは所謂ビオゴンタイプだが曲率が大きく半球状に見える。)
 ローベルト・リヒター設計のトポゴンは歪曲の少なさから測量レンズとして戦前より多用され、各国で同系統のレンズが生産された。大戦中には既にコンタックス用として2,5サンチF4,5のものが製作されていたが、民生品として実際に市場に出たのは戦後、東独カール・ツァイス・イエナから、2,5サンチF4としてだ。このレンズは周辺光量の落ちがかなり大きく、絞り開放では大変甘い描写をする。逆光には弱いし、ハイライトが滲む癖もあるが、あるいは個体差かもしれない。オリオンにはそのような欠点は見られない。光の条件が良ければ、意外とシャープネスの高いのも判る。
 東独ツァイスはコンタックスの名をレンジファインダーカメラではなく一眼レフカメラに与えてこちらに未来を託していたから、トポゴンは最初から西側の新しいコンタックス用に供給された。単体の25ミリビューファインダーは製作されず、ベルテレの新ビオゴンが出るまでの間、シュツットガルトのツァイス・イコンがユニバーサルファインダーに25ミリの視野を(28ミリの代わりに)搭載している。生産数は千本またはそれ以下の数と推測される。


2004 Urayasu, Chiba F8 ILFORD DELTA 400 PROFESSIONAL


Photo and Text (C)2004 Yoshitane Takanashi inserted by FC2 system