■EXAKTA RTL1000
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名称:EXAKTA RTL1000 |
製造・年代:VEB Pentacon、1969-73 |
フンメル分類:120 |
ファインダー:交換式 |
スクリーン:交換式 |
シャッター:金属製縦走フォーカルプレン |
シャッター速度:8,4,2,1-1/1000,B |
シンクロ接点:国際式、1/125(X)、1/30(V) |
セルフタイマー:8,4,2秒 |
フィルムカウンター:順算式(自動復元) |
TTLプリズム露出計:CdS式TTL |
感度設定範囲:DIN 9-30 |
電池:PX13(VX625またはSR44アダプタつきで代用)×1 |
容積:W00×H00×D00mm/755g(TTLプリズム付き) |
ヘルベルト・ショルツェの設計になり、1969年秋に登場した。ドレスデンのコンビナートVEBペンタコンの製品であり、イハゲー・カメラベルク(の製品)から引き継いだのはマウントと名前だけである。このため市場(またはファン)からはエキザクタの正当な後継機種と見なされていない。
同年のプラクチカLと同じ内部機構を持つ新しいエキザクタマウントカメラで、従来のエキザクタシリーズと互換性のない新しい交換ファインダーシステムは、RTL1000の商業的失敗のあとプラクチカVLCシリーズが引き継いだ。よくRTL1000はVLCをベースにしたと云われるが、順序が違う。交換ファインダーはプリズム、TTLプリズム、ウェストレベルの3種類が用意され、スクリーンを含めてVLCと互換性がある。
プラクチカLと同様、X字レバー型の金属製縦走フォーカルプレンシャッター(ドイツ特許DP1622195号)が初めて採用されたドレスデンのSLRカメラのひとつ。自動絞り込み機構(絞りピン叩き式)を内蔵する。
特徴として、従来のエキザクタマウント外部自動絞りレンズも使えるように、通常の右手レリーズのほかに左手レリーズソケットを持つ。これはケーブルレリーズソケット兼用で、外部レリーズ式エキザクタレンズを使う時はレリーズアダプターをここにネジ止めする。お店や出品者によってはこのアダプターが欠落しているのもあるので、購入には注意が必要だ。なお、右手レリーズレバーにはKW製品でおなじみのロック機構がついている。
RTL1000用として、内部自動絞り機構式のレンズがツァイス・イエナとマイヤー・ゲルリッツから供給された。レンジは29ミリから135ミリまでの5種類。
フンメル氏によれば総生産台数は86千台。刻印の違いにより、3バージョンに分類される。
付録:TTL露出計つきプリズムファインダーの使用方法
1)フィルムスピードセット
シャッターダイヤルの感度指標(オレンジの三角印)が見えるようにシャッターダイヤルを回す。
ライン側のチェンジボタンを押し込む。
感度設定ボタンを押しながら、調整ダイヤルを回して感度指標にフィルム感度を合わせる。
標準スクリーン(中央部マイクロプリズム、中央周辺マット、周辺フレネル)ではないスクリーンを使用する場合は、感度を次のように補正する。
全面マット:+DIN 4
中央部素通し(6mmレチクル)、周辺マット:+DIN 3
2)開放測光の場合(RTL1000用レンズ)
2−1)レンズ開放値セット
調整リングを持ち上げて、トップの指標(白の三角印)に絞り指標リングの開放値を合わせる。
ラインのないほうのチェンジボタンを押し込んで調整リングをフリーにする。
2−2)測光
スイッチを入れる。
調整リングを回してファインダー内の指針を丸印に合わせる。このときの下側リングの指標(白い三角印)が示す絞りが適正絞り値。オーバーまたはアンダーの場合は、さらに調整リングを回していくとシャッターダイヤルも回ってスピード変更を強制される。
3)絞り込み測光の場合
3−1)露出計のセット
調整リングを持ち上げて、トップのラインと絞り指標リングのラインを一致させる。ラインのないほうのチェンジボタンを押し込んで、下側リングを回し、下側リングのラインと絞り指標リングのラインを一致させる。ライン側のチェンジボタンを押し込んで調整リングを固定する。
3−2)測光
スイッチを入れる。
レンズの絞りを絞り込む。
調整リングを回して指針を丸印に合わせる。シャッターダイヤルも回転するので、中間値には合わせられない。