Contax II 内部機構


ボディ後ろ側から透視写真。アパチュアゲートは外してある。
ファインダープリズムブロック。基線長9cmの長大なガラスブロック。距離計像の光路をガラスで埋めることで光量の損失を防ぎ、また近距離での像高差を逓減する。基線長精度を維持する役割も果たしている。修理業者が一番欲しがっている部品。
ファインダー接眼部レンズユニット。倍率0,7倍がかけられている。凸レンズと凹レンズの簡単な逆ガリレイ式望遠鏡構造で、凸レンズはねじ込み式になっている。このユニットを取り外すとファインダー像は等倍になり、視野はおおよそ85ミリレンズに相当する。
シュヴェンクカイルプリズム(旋回プリズム)ユニット。距離計像を偏角し、右に突き出たロッドでヘリコイドの回転と連動する。ロッドの取り付け角度は調整できる。また、ボディへの取り付け位置を変えることで無限遠の調整ができる。
ヘリコイドの回転を旋回プリズムユニットに伝達するギア部分。右上のギアはフォーカシングギアの裏側に位置するギア。その次のギアがマウントヘリコイドに連結して、回転軸方向を変換する円筒ギアを回す。円筒ギアの上部には、旋回プリズムユニットのロッドに連結するカムがある。
ヘリコイド回転角伝達ギアの噛み合わせの部分。
バヨネットマウント。左上のレバーは無限遠ストッパー解除ロッド。右上の突起と直結している。マウントはヘリコイドになっており、その回転角が距離計に連動して測距する。
巻き上げギアトレーン。時計回りの回転を反時計回りの回転に変換して、フィルムを巻き上げる。右側のほうではシャッタードラムをチャージするギアに連動する。巻き上げ基部の溝の入ったディスクがシャッター速度を決定するディスク。
シャッター調速部とスプロケット。先幕と後幕の間隔、およびシャッター幕走行速度を決定する。
シャッター幕解放機構。レリーズすると上部のくの字に曲がったリンクロッドが動いて中央部の繋合レバーが外れ、シャッター幕が走行する。チャージ状態では繋合レバーは先幕(下側)スパーの繋合ラッチに噛み合って、幕走行を係止している。
セルフタイマーユニット(不完全)。本来はバネとぜんまいが付属する。下が前側になる。円盤状の突起はスタートボタン。
フィルムガイドレールとフィルムアパチュアゲート。スプロケット部のカバーと一体構造。パトローネ側にはガイドローラーがついている。
裏蓋内側とフィルム圧板。圧板の左はスプロケット押さえとガイドローラー。下の両側にある2つのキーは、裏蓋開閉キー兼マガジン開閉キー。本来は中央下部にスタビライザーシューが付属するが、欠損している。



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