● レンズ構成のチェック

 ここでは構成の不明なレンズのおおまかなエレメント数や、貼り合わせ面の数をチェックする方法を紹介する。

 明るい一灯の蛍光灯(白熱灯でもペンライトでも良い)の下にレンズを保持して、反射像を数える。絞りを絞り込んでおくと、前群と後群とに分けて調べられるので、そのほうが良い。貼り合わせ面は、特にコーティングされていると非常に薄い(淡い)反射像になるので注意して観察する。また、絞り羽自体に反射した像をカウントしないように注意する。
 例えば、はっきりした反射像が4つ見えたら、それは2群2枚構成である。はっきりした像が2つに淡い像が1つ見えたら、1群2枚(接合ダブレット)である。
 次にレンズを手前に傾けて、像がどういう動きをするかを見ると、その反射面がこちらに向かって凸なのか凹なのかがおおよそ判る。手前に像が動けばそれは凹または平面であり、向こうへ動けば凸面である。ただし、必ずしもそうではないことに留意。メニスカス単レンズならば2つとも同じ方向に動くし、両凸または両凹単レンズならば2つの像は正反対に動く。
 例えばテッサーの後群なら、はっきりした反射像が1つ向こうに動き、もう1つのはっきりした像と淡い反射像が1つ、手前に動く。
 最近の広角大口径レンズやズームレンズなど、構成枚数の多い玉では判りにくいことが多い。例えばはっきりした反射像6つと淡い像2つが見えたとして、それが接合ダブレット2枚と単レンズ1枚なのか、接合トリプレット1枚と単レンズ2枚なのかは、簡単には判別できない。

代表的なレンズ前群後群
名称(構成)明瞭な像不明瞭明瞭な像不明瞭
トリプレット(1-1-B-1)4020
テッサー(1-1-B-2)4021
エルマー(1-B-1-2)2041
F2ゾナー(1-3-B-2)4221
ズマール(1-2-B-2-1)4141
※B=絞り幕

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