某社から出ている叢書の一つ、「使うコンタックスレンズ」のまねごとをして、まあその類のものをつらつらと書き殴ってみた。
もちろん、使うのはツァイス・イコン製コンタックス用のレンズ群だ。こんなサイトを覗きに来るひとでよもやそんな勘違いをしているひとがいるとは思わないが、ツァイス・イコンというのは京セラの工場名ではなく、1926年に設立されて1972年にカメラ製造を停止した、ドイツ共和国またはドイツ第3帝国あるいはドイツ連邦共和国の一大カメラメーカーのことである、念のため。(註:2004年に同名で復活したのはカメラボディ。)
考えてみればあれこれコンタックスレンズを蒐集してきたものの、実地に使う玉は当たり前だが偏っていて、久しく出番もなくて防湿庫の肥やしになっているレンズが結構多い。コンタックス用のレンズにはアタリハズレはあるものの、当時最高品質を謳ったシステムの玉である以上、まったく使いものにならない代物はないので、暗室を拵えた手前、一巡り使ってみようと思い立った。
本旨はもとよりベッサR2Cの登場とともにいくつかの雑誌で特集化されているが、マイナーなレンズが掲載されている割には肝心なレンズが抜けていたり(ベッサには装着できないからだろうが戦前のビオゴンがそうだ)、網羅的ならまだしも戦前と戦後、東と西、さらにツァイス、非ツァイスすらもがごっちゃになっていて、あまり役に立たない(何の役に立てるのか、というとそれはそれで答えに窮するが)。比較的資料価値がありそうなのはカメラレビュー誌クラシックカメラ専科59号くらいだろう。
ちなみに以下のサンプルで抜けているのは、大概が希少性の高いレンズで入手困難もしくは高価に過ぎるからだ。さらに蒐集のポリシーとして、戦後新規に開発されたもの以外はできる限り戦前のレンズを集めているので、たとえば西独CZ製のSonnar1,5/50などは手頃な市場価格だが手許にないし、同じくBiogon2,8/35は本来入手すべきレンズだがなぜかいつも後回しにされている(※2005年2つともようやく入手)。それからこのリストにははっきり試作品と考えられるものも入れていない(Perimetar 6,3/25など)。約500乃至1.000本だけが生産されたと推定されるHerarは数年前までは超がつく程の珍品だったが、今では少なくとも日本国内に5本はあるはずだし、それよりさらに生産数が少ないはずのTopogonはもっと多く出回っている。